ipコマンドは、Linuxシステムでネットワークインターフェースを管理するための強力なツールです。ifconfigの後継として登場し、より多くの機能と拡張性を備えています。この記事では、ipコマンドの基本的な使い方から応用までを紹介し、Linuxシステムでのネットワーク管理のスキルを向上させます。
ipコマンドの基本的な使い方
ipコマンドは、ネットワークインターフェースの設定やルーティングテーブルの管理、IPアドレスの割り当てや削除など、多岐にわたる操作を行うことができます。基本的な構文は以下の通りです。
ip [オプション] オブジェクト コマンド
ネットワークインターフェースの表示
現在のシステムに設定されているすべてのネットワークインターフェースとその状態を表示するには、次のコマンドを使用します。
ip link show
IPアドレスの表示
システムに割り当てられているすべてのIPアドレスを表示するには、次のコマンドを使用します。
ip addr show
ルーティングテーブルの表示
現在のルーティングテーブルを表示するには、次のコマンドを使用します。
ip route show
基本的なオプション
- -V, –version:ipコマンドのバージョンを表示します。
- -s, –stats, –statistics:より詳細な統計情報を表示します。多くのサブコマンドで使用でき、より豊富な情報を提供します。
- -f, –family:アドレスファミリーを指定します。inet(IPv4)、inet6(IPv6)、link(リンク層)などが指定可能です。
- -4:アドレスファミリーとしてIPv4を指定します。
- -6:アドレスファミリーとしてIPv6を指定します。
- -o, –oneline:出力を1行にまとめて表示します。スクリプトからの読み取りに便利です。
- -c, –color:出力に色を付けて表示します。可読性の向上に役立ちます。
主要なサブコマンド
- link:ネットワークインターフェース(NIC)の設定や状態を表示・変更します。
例: ip link showはすべてのネットワークインターフェースを表示します。 - addr(またはaddress):IPアドレスの割り当てや表示を行います。
例: ip addr showはすべてのインターフェースのIPアドレスを表示します。 - route:ルーティングテーブルを表示・変更します。
例: ip route showはシステムのルーティングテーブルを表示します。 - neigh(またはneighbor):ARPテーブル(IPv4)や近隣探索テーブル(IPv6)を表示・変更します。
例: ip neigh showは近隣のホストのリストを表示します。
ipコマンドの応用
ネットワークインターフェースの起動と停止
ネットワークインターフェースを起動(up)または停止(down)するには、次のようにします。
ip link set インターフェース名 up
ip link set インターフェース名 down
IPアドレスの追加と削除
特定のネットワークインターフェースにIPアドレスを追加または削除するには、次のコマンドを使用します。
ip addr add IPアドレス/サブネット dev インターフェース名
ip addr del IPアドレス/サブネット dev インターフェース名
ルーティングの追加と削除
新しいルートを追加または削除するには、次のコマンドを使用します。
ip route add ネットワークアドレス via ゲートウェイアドレス
ip route del ネットワークアドレス
まとめ
ipコマンドは、Linuxシステムのネットワークインターフェースの管理や設定変更、トラブルシューティングにおいて不可欠なツールです。この記事を通じて、ipコマンドの基本的な使い方から応用までを理解し、実践的なネットワーク管理の知識を深めることができました。
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